NEWS

ディレクター南貴之に訊く
『五感を満たすコンセプトストア』とは?

ディレクター南貴之に訊く
『五感を満たすコンセプトストア』とは?

大須、本町通りにオープンしたグラフペーパー名古屋は、服だけでなく本やレコード、食にインテリアなど、いつにも増して多彩な側面を見せるニューショップ。この場所にしか無い個性と、そんな答えにたどり着くまでの経緯について、ディレクターの南は語ります。

名古屋に新しいグラフペーパーのお店をつくると決まったのはいつ頃だったんですか?

南貴之(以下 南):去年です。正直に言ってしまえば、僕自身の中には名古屋にお店を出そうというプランが元々あったわけではなくて。長年グラフペーパーを取り扱ってくれているJ.B. Voice( Inc.)さんからお話をただいてから色々と動き始めて、最終的には場所ありきという形で踏み切るに至った感じです。

そうだったんですね。

南:名古屋はポップアップだとかで行く機会が多い場所だったし、お客さんたちの顔も見えていたから、イメージはすぐできました。グラフペーパーのファンがこんなにいてくれる街なんだな、って。

名古屋に対する個人的な印象はどんなものでしたか?

南:すごく失礼だけど、以前はそこまでポジティブには思っていなかったんです。カルチャー的な要素を僕自身があまり感じられていなくて。だけど今回、実際に動き始めて、それはただ僕がわかっていなかっただけだったんだなと気づきました。自分が知らないおもしろい人たちがたくさんいて、ちゃんとそういう土壌があったんだなと。名古屋の人たちと繋がっていく中で飲食をやっている人、レコードや古本を扱っているおもしろいお店に出会ったり、元々アートギャラリーがいくつもあったっていう歴史を知ったりとか。

シンパシーを感じられるようになった、と。

南:はい。3歳までしかいなかったから記憶はほぼ無いけど、僕自身が生まれたのも名古屋ですしね。で、そういう人たちが参加してくれて、今回のお店ができました。

まだ完成形のお店を拝見していないんですが、どんな内容になっているんですか?

南:まず、箱自体がかなり大きいです。今あるグラフペーパーのお店では最大で、それがここの強みだからグラフペーパー以外のコンテンツも入れていこうと思いました。コペンハーゲンのデザインチーム、フラマには家具やアポセカリーを扱うショップインショップという形で入ってもらって、ベクターショップというレコードとアートブックを扱うお店も入ります。

本やレコードについてはどなたが手掛けられているんですか?

南:今回は特殊で、本は古書を名古屋のリープブックスさんというヴィンテージの本を扱っているお店にお願いして、新書をトゥエルブブックスさんがセレクトしてもらっています。古いものと新しいもの、両方混ざり合ってた方がおもしろいと思うので。レコードも同じような考え方で、名古屋にあるレコード店と美容室が同居する(ヘア・アンド・ミュージックパーラー・)ファムさんのセレクトしたレコードと、自分たちが東京でピックアップしたものをミックスして置きます。僕自身が音楽は雑食だから、ヒップホップにジャズ、ロックにダンスミュージックまで幅広く。もちろん、和モノとかも。

聞いているだけでもなかなか多様性のあるお店ですね。

南:そもそもブランドのショップってどこの街にも同じ形でつくられることが多いじゃないですか。ある程度ルールがあって、どこに行っても同じクオリティになるように、って。でも、それだと東京にいる人がわざわざ名古屋に行こうとは思わないだろうし、それがずっと疑問で。芯さえブレなければ、それ以外は変えてもいいんじゃないかなと。だから名古屋でしかできないグラフペーパーにしょうと。

なるほど。同じ場所に来るのに目的はそれぞれ違う、となりそうですね。

南:それが一番おもしろいかなと思ってます。そこに行けば何か楽しいことがある、っていうような場所にできたら嬉しいです。

最後に、名古屋の方々に一言いただけますか。

南:忌憚なく、思い思いの感想を聞かせてもらえたらなと思ってます。正直、僕自身はオープンまでに全部が間に合うのかと心配で、今は戦々恐々としてる状況なので周りの評価がどうとかを気にしている余裕も無くて。この記事が世に出てるってことは無事完成したということだと思いますけどね。オープンの日には、僕はヘトヘトでベロベロになっているかも知れません(笑)。

Graphpaper NAGOYA

〒460-0011

愛知県名古屋市中区大須2-6-15